マーケターの転職活動の始め方|失敗しないための全手順を転職経験者が解説

マーケターの転職活動の始め方|失敗しないための全手順を転職経験者が解説 転職準備・進め方
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こんにちは!私自身、キャリアの中で2度の転職を経験してきた現役マーケターの髙橋です。

「マーケターとしてキャリアアップしたいけど、何から始めればいい?」
「転職活動が不安…失敗しないための手順が知りたい」

マーケターとしての転職は、キャリアを大きく飛躍させるチャンスであると同時に、多くの不安が伴うものです。

1社目の事業会社(Webディレクター)から2社目の広告代理店(SEOコンサルタント)へ、そして再び3社目の事業会社(マーケティング)へと、異なる立場でマーケティングに関わってきました。

だからこそ、転職活動の「理想と現実」や「失敗しないための勘所」を、実体験として知っています。

この記事では、そんな私の経験に基づき、マーケターが転職を成功させるための「全手順」を、具体的なアクションプランと共に徹底解説します。

この記事を読み終える頃には、あなたの転職活動への不安が解消され、自信を持って第一歩を踏み出せるようになっているはずです。

【最重要】転職活動を始める前に絶対にやるべきこと

転職活動は、いきなり求人サイトに登録することから始まるのではありません。その「前段階」の準備こそが、成功の9割を決めると言っても過言ではないのです。

実は私自身、1回目の転職活動ではこの準備を怠ったため、全くうまくいきませんでした。まずは焦る気持ちを抑えて、じっくりと自分自身と向き合うことから始めましょう。

①「なぜ転職したいのか」動機を深掘りする

まずは「なぜ今、転職したいのか」という動機を徹底的に深掘りします。

「年収を上げたい」「もっと裁量権が欲しい」「新しいスキルを身につけたい」「今の職場環境が合わない」…理由は人それぞれでしょう。大切なのは、その「なぜ?」を最低でも3回は繰り返すことです。

例えば、「年収を上げたい」→「なぜ?」→「自分のスキルが正当に評価されていないと感じるから」→「なぜ?」→「現職では個人の実績よりも年功序列が重視されるから」→「なぜ?」→「だから、成果主義の環境で自分の市場価値を試したい」。

ここまで深掘りできれば、それは面接で語れる強力な「志望動機」の核となります。これが曖昧なまま活動を始めると、面接での受け答えがブレるだけでなく、転職後に「こんなはずじゃなかった」と後悔する最大の原因になります。

②キャリアの「棚卸し」と「強み」の言語化

次に、これまでのキャリアを棚卸しし、あなたの「強み」を客観的な言葉に落とし込みます。

実は、私が1回目の転職で1次面接をほとんど通過できなかった最大の原因が、この「棚卸し不足」でした。

当時の私は、ただ「某メディアでWebディレクターをしていて、どんな業務をしていた」という事実しか語れず、面接官に「で、結局あなたは何ができる人なの?」という疑問を抱かせたまま終わっていました。

ここで重要なのは、単なる業務内容(事実)の羅列ではなく、「どんな課題に対し」「どんな施策を実行し」「どんな成果(数字)が出たか」を3点セットで洗い出すことです。

(悪い例): 自社メディアのPVを増やすためにSEOを担当した。

(良い例): 月間2,500万PVで伸び悩んでいた自社メディアに対し、ユーザーの検索意図に基づいたコンテンツ改修と内部リンクの最適化を実行。結果として月間6,000万PVまでグロースさせ、SNSフォロワーも6.5万人まで伸ばした。

このように、職務経歴書にあるような具体的な数字こそが、あなたの「強み」を証明する何よりのエビデンスとなります。

③自分の言葉で語る準備をする

棚卸しができたら、いよいよ面接準備……なのですが、ここで多くの人が陥るワナがあります。それは「面接対策のしすぎ」です。

1次面接で落ち続けた私は、焦って「面接対策マニュアル」のような情報を調べすぎ、ありきたりな模範解答や、どこかで聞いたような逆質問しかできなくなっていました。これでは、面接官の印象に残るはずがありません。

最終的に内定を貰った広告代理店は、実はこれといって企業研究以外の「一問一答」のような対策はしていませんでした。もちろん、それまでの面接で培われた基本姿勢はありましたが、用意された言葉ではなく、①の動機と②の強みを自分の言葉で「対話」することだけを意識しました。

面接対策は重要ですが、それは「自分の経験と考えを、自信を持って自然体で語るための準備」だと心得ましょう。

④キャリアの「軸」を決める

①〜③が明確になって初めて、あなたは「次の職場で何を最優先で得たいのか」というキャリアの「軸」を決めることができます。

  • スペシャリスト軸: SEOや広告運用など、特定の専門性をさらに極めたいか?
  • マネジメント軸: チームを率い、人を育てる経験を積みたいか?
  • ゼネラリスト軸: 事業全体を見て、戦略立案や予算策定など上流工程に関わりたいか?

私の例で言えば、1社目から2社目の転職(事業会社→代理店)では、「多様な業界で、SEOの専門性を徹底的に高めたい」という「スペシャリスト軸」を最優先にしました。そして、2社目から3社目(代理店→事業会社)では、「培った専門性を活かし、事業の当事者として戦略や予算策定など上流工程から関わりたい」という「ゼネラリスト軸」へとシフトさせました。

この「軸」が定まれば、応募すべき企業はおのずと絞り込まれてくるはずです。

【パターン別】マーケターの転職でのアピールポイント

あなたの今の立場によって、アピールすべきポイントは異なります。私の実体験も交えながら、3つの王道パターンを解説します。

①支援会社(代理店) → 事業会社

これは、私が2社目(広告代理店)から3社目(事業会社)へ移ったパターンです。個人的な感覚ですが、年収アップしやすく、裁量権を持って一つの事業に深くコミットしたい人に向いています。

代理店では、多様な業界・商材の支援を経験します。その中で培った「引き出しの多さ」や「広い視野」が、一つの事業を多角的に見る上で強力な武器になることをアピールします。
その上で、「SEOのプロフェッショナルとしてクライアントの成果を最大化してきた。今後はその専門性を、事業の当事者として、御社の事業成長(売上や利益)に100%コミットするために活かしたい」という形で、視点の切り替えができることを伝えます。

注意点として、代理店時代は「施策実行」がメインだったかもしれませんが、事業会社では「社内調整」や「予算管理」など、より上流の業務や泥臭い業務が増えることも理解しておきましょう。そのギャップを楽しめる人は、事業会社に向いていると言えます。

②事業会社 → 支援会社(代理店)

これは、私が1社目(事業会社)から2社目(広告代理店)へ移ったパターンです。特定の専門性を短期集中で高めたい、多様な業界で自分のスキルを試したいという人におすすめです。

事業会社で「売上」や「利益」という数字に直接向き合ってきた「当事者意識」は、クライアントの事業を深く理解し、本質的な提案をする上で大きな強みになります。「クライアントの担当者と同じ目線で、事業成長にコミットできる」と伝えましょう。
また、「なぜ、今あえて専門性を高めたいのか」を具体的に語ることも重要です。「1社目でSEOの重要性を痛感したが、体系的な知識が不足していた。多様な業界のSEO支援を通じて、日本トップクラスの専門性を身につけたい」といった明確な動機が説得力を生みます。

注意点として、代理店では複数クライアントの案件を同時に、かつ高速で回す能力が求められます。また、専門性を高める「修行期間」として、一時的に年収が下がる可能性もゼロではないことは覚悟しておきましょう。

③支援会社(代理店) → 支援会社(代理店)

これは、同業種でキャリアアップを目指すパターンです。現職より規模の大きな会社に移って扱う予算やクライアントのスケールを大きくする、あるいは、特定の業界(例:BtoBのSaaS)に特化したブティック型のエージェンシーに移って専門性をさらに鋭くする、といった目的が考えられます。

中途採用では即戦力であることが大前提となるため、「前職でどんなクライアントに対し、どんな施策を行い、いくらの予算で、どれだけの実績(数字)を出したか」を明確に示す必要があります。
その上で、「なぜ同業である御社なのか」を明確に語ることが重要です。「前職では〇〇業界の支援が中心だったが、御社の強みである××業界の支援を通じて専門性の幅を広げたい」「今後はプレイヤーとしてだけでなく、リーダーとしてチームを率いる経験を積みたい」など、現職では得られない「何か」を求めていることを論理的に説明します。

このパターンでの転職は、求められる専門性や成果のレベルが現職より格段に高くなる可能性があります。また、企業文化や仕事の進め方が前職と大きく異なる場合もあるため、面接の場で見極めることが重要です。

④事業会社 → 事業会社

これは、業界を変えて新たな挑戦をするか、同業界で役職や年収を上げる(担当→マネージャーなど)かの2つに大別されます。

最も重要なのは「再現性」を証明することです。 私が「ゲーム」という特定の業界から「リーガル/HR」という全く異なる業界に転職できたのは、「ゲームメディアでPVを6,000万にした」という事実(What)だけでなく、「なぜそれができたのか」(How)という方法論・思考プロセスを語れたからです。

例えば、「ユーザーの検索意図を徹底的に分析し、競合との差別化ポイントを明確にした上で、高速でPDCAを回す体制を構築した。この『ユーザー起点での戦略立案と実行力』というポータブルスキルは、御社のHR事業でも同様に活かせます」と、スキルを一般化・抽象化して伝えることで、再現性を評価してもらいやすくなります。

異業種に移る際は、業界知識は求められないことも多いです。そのぶん、「前職での事業貢献の実績(数字)」を明確に示すことが最低条件です。その上で、「なぜ前職の会社ではなく、御社なのか」という問いに対し、企業研究に基づいた明確な理由を語る必要があります。

転職で失敗しないための3つの注意点

転職活動を成功に導くためには、いくつか押さえておくべき重要な注意点があります。これらを見落とすと、たとえ内定を得ても後悔に繋がる可能性があるため、しっかり心に留めておきましょう。

①年収や条件だけで選ばない

転職を考える大きな動機の一つが「年収アップ」であることは間違いありません。しかし、提示された年収や「リモートワーク可」といった条件面だけで転職先を決めてしまうのは非常に危険です。

大切なのは、その会社があなたの「キャリアの軸」と合致しているかです。例えば、あなたが「マネジメント経験を積みたい」という軸を持っているのに、年収が高いからという理由で「プレイヤーとしてのスペシャリスト」を求められる職場を選んでしまっては、本末転倒です。

年収は上がっても、業務内容が自分のやりたいこととズレていたり、社風が合わなかったりすれば、結局その会社で長く活躍することはできません。最初に深掘りした「転職の動機」と「キャリアの軸」に立ち返り、総合的に判断することが失敗しないために必要なのです。

②企業の「実態」を自分の目で見極める

求人票や転職エージェントから得られる情報は、あくまで企業の「表の顔」です。転職後に「こんなはずじゃなかった」を防ぐためにも、面接の場を「企業を見極める場」として最大限に活用しましょう。

面接は、あなたが一方的に評価される場ではありません。あなたと企業が対等な立場で、お互いを見極める「お見合い」のようなものです。

「実際の残業時間はどれくらいですか?」「リモートワークはどの程度活用されていますか?」「入社までに準備しておくべきことは何ですか?」など、気になることは遠慮せずに質問しましょう。むしろ、具体的な質問をすることは、あなたの入社意欲の高さを示すことにも繋がります。質問への回答の仕方や、面接官の雰囲気からも、その企業のリアルな実態が見えてくるはずです。

③現職を疎かにせず、「円満退職」を心がける

転職活動を始めると、どうしても意識が次の職場に向かいがちです。しかし、転職が決まったからといって現職でのパフォーマンスを落としたり、引き継ぎを疎かにしたりすることは、プロフェッショナルとして絶対にあってはなりません。

マーケティング業界は、あなたが思っている以上に狭い世界です。どこで誰が繋がっているかわかりません。現職での最後の振る舞いが、あなたの評判として、巡り巡って次の職場で耳に入る可能性もゼロではないのです。

お世話になった会社への感謝を忘れず、最後まで責任を持って業務を完遂し、後任者への引き継ぎを丁寧に行うこと。この「円満退職」こそが、社会人としての信頼を守り、次の職場でクリーンなスタートを切るために不可欠な最後の手順です。

まとめ:転職は「準備」が9割。自信を持って未来を選ぼう

この記事では、私自身の転職経験に基づき、マーケターが転職を成功させるための全手順を解説してきました。

転職活動は、内定を取ることがゴールではありません。転職はあくまで、あなたが理想とするキャリアを実現するための「手段」の一つです。

そして、その成功の9割は、いかに「準備」を徹底できたかで決まります。

私自身、準備不足で失敗した1回目の転職活動と、軸を定めて臨んだ2回目の転職では、得られた結果も、その後のキャリアも全く異なるものになりました。

この記事で紹介した「①動機の深掘り」「②キャリアの棚卸し」「③キャリアの軸の設定」という準備をしっかり行うこと。そして、面接では、実績を具体的な数字で語り、それが次の職場でも活かせる「再現性」があることを、あなたの言葉で自信を持って伝えてください。

転職活動は、不安や焦りも伴いますが、自分自身のキャリアと本気で向き合う貴重な機会でもあります。

まずは最初の一歩として、難しく考えずに、これまでの仕事を紙に書き出す「キャリアの棚卸し」から始めてみましょう。

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